大学生の家庭教師アルバイトの確定申告はどうすればいい?
大学生の家庭教師アルバイトでも社会人と同様、確定申告と無関係ではいられません。
「学生だから申告しなくても大丈夫だろう……」と思って申告しないでいると、後から無申告で追徴課税をされかねません。しかし、義務教育や高校で具体的な税金の納め方など教えてもらえないため、大学生が不安になったり、混乱したりするのも無理のないことです。
そこで、本記事では具体的に家庭教師のアルバイトの確定申告を進めていく方法を紹介します。
家庭教師センター経由で仕事をしているなら、まずは確認
家庭教師センター経由で仕事をしている場合、確実なのは「契約している家庭教師センターに聞いてみる」ことです。家庭教師センターは毎年、大学生を家庭教師として採用して経理・事務手続きを代行しています。家庭教師センターに聞けば、具体的な確定申告に必要なことを教えてくれるでしょう。例えば、一箇所の家庭教師センターでしかアルバイトをしていない場合(他のアルバイト掛け持ちもしていないケース)で直接雇用の形を家庭教師センターがとっているなら「年末調整をしているから、アルバイトを掛け持ちしていなければ確定申告の必要なはい」と言われるでしょう。この場合は確定申告に必要な事務処理を家庭教師センター側がやってくれるため、家庭教師側で特に動く必要はありません。
ただし、家庭教師センターと直接雇用ではない場合は、受け取る賃金が事業所得または雑所得に分類されるため個人契約の家庭教師と同じ分類となります。
個人契約の場合・家庭教師センターでも直接雇用でない場合
個人契約・または家庭教師センター経由の仕事でも直接契約でないケースは、自分で確定申告をするのが原則です。会社員(給与所得者)が副業として家庭教師をする場合は給与所得・退職所得以外の所得で20万円を超えると確定申告が必要になります。ただ、大学生の家庭教師アルバイトの場合は、「年間所得が基礎控除の48万円以下かどうか?」が確定申告をするかどうかの分かれ目となるケースがほとんどです。48万円を超える場合は、確定申告が必要になるケースが多いため、確認が必要になります。
特に確認しなければいけないのが
・勤労学生控除が受けられるかどうか
・親の扶養から外れないかどうか
この2点です。
勤労学生控除が適用されるケース
勤労学生控除の要件は・合計所得金額が65万円以下で、その他の所得が10万円以下。
・高校、大学、高等専門学校など所定の学校の学生・生徒であること
この要件が適用できれば年収130万円まで所得税がかからないため、確定申告の心配が要らなくなります。
扶養控除
扶養控除とは親族を扶養している場合に受けられる控除のこと。大学生の子供がいる親は通常、受けられる控除です。ただし、子供の合計所得金額が48万円(令和二年以降)でなければいけません。年収でいうと給与所得控除の55万円を加算した103万円以下かどうかで扱いが変わります。家庭教師アルバイトで年収103万円を超えると、世帯全体での節税を考えると不利になるケースがあります。
特に一人暮らしではなく親元に住んでいる学生の場合は、扶養控除内に収入を抑えるべきかどうかも考えておく必要があります。
アルバイトを掛け持ちしているケース
・2つの会社から給与をもらっている場合・アルバイトを掛け持ちしており、年間103万円以上の収入がある
この場合は原則、確定申告が必要になります。アルバイトを掛け持ちしている場合は確定申告が必要なケースが多いので、あなたの条件で確定申告が本当に必要かどうかをよく確認した方が良いでしょう。
税理士・税務署にも勇気を出して相談してみよう
日本の税制はとても複雑なため、ネットなどで情報を調べても「確定申告が必要かどうかイマイチ分からない」ということもあるでしょう。一番、おすすめなのは税金のプロに相談することです。最寄りの税務署に事情を説明すれば確定申告に対して具体的なアドバイスをもらえるでしょう。確定申告の期間になると、税務署は混むので空いているときに、一度、相談してみることをおすすめします。まとめ
大学生家庭教師アルバイトの確定申告について解説しました。一箇所の家庭教師センター経由でアルバイトをしている場合は、まずは家庭教師センターに相談してみましょう。年末調整をしてもらっているなら、確定申告は原則、不要となるはずです。それ以外のケースの場合は年間の所得や適用できる控除の条件などで、具体的な対応策が変わります。勤労学生控除、扶養控除、年間の所得を洗い出して、確定申告が必要かどうかを確認してみてください。判断に迷うなら最寄りの税務署や税理士に相談してみることをおすすめします。