家庭教師も知っておきたい2025年大学入試共通テストの変更点
2025年の大学入試共通テストでは、新しい学習指導要領に基づいた大きな変更が導入されることが発表されています。6教科30科目から7教科21科目へと大きく変わります。本記事では家庭教師として、受験生を指導する際に知っておくべきポイントを解説します。この情報を理解し、適切に受験生をサポートすることが重要です。
新試験科目「情報」の追加
2025年の共通テストから新たに「情報」という教科が追加され、「情報Ⅰ」として試験時間は60分、満点は100点で実施されます。この教科は、多くの国公立大学で必須となるため、受験生は準備が必要です。家庭教師としては、この新しい教科に対応するために、プログラミングや情報リテラシーに関する基本的な知識を持っておくことが求められます。情報Ⅰでは、プログラミングの基本的な考え方や、情報社会におけるリテラシーについての理解が問われます。生徒が抵抗感なく情報の問題に取り組めるよう、基礎的な知識を分かりやすく教えることがポイントです。特に、プログラミングの基本的な考え方やデータ処理については、学校での指導が不十分な場合も考えられるため、家庭教師の指導が生徒にとって大きな助けになるでしょう。
国語の試験時間が延長
国語の試験時間が現行の80分から90分に延長されます。これは、現代文の大問数が増加し、多様な文章を読むことが求められるためです。特に国語の家庭教師は、生徒の読解力を伸ばすための指導が必要になるでしょう。試験時間は延長されますが、限られた時間の中で多くの文章を読み解く必要があるため、効率的に要点を把握するコツが点数を伸ばすためには欠かせなくなるでしょう。生徒が時間内に回答を終えられるように、読解の演習時間は十分にとったほうが良さそうです。
数学の科目変更と試験時間の延長
数学でも大きな変更があります。「数学Ⅱ」「数学B」「数学C」が1つの科目としてまとめられ、試験時間は70分に延長されます。受験生はより広範囲な分野に対応しなければならず、家庭教師の指導にも影響するでしょう。また新設された数学Cではベクトル、平面上の曲線と複素数平面が出題されるなど旧課程との違いが大きいため注意が必要です。
外国語(英語)の変更点と注意点
外国語(英語)については大きな変更はありませんが、リーディングとリスニングを中心とした出題が引き続き行われます。リスニング試験では、従来どおりICプレーヤーを使用する形式が続けられます。英語の指導では読み書きはもちろん、リスニング重視の傾向も続きます。どのように生徒のリスニング能力を高める指導をするかも志望校合格には相変わらず大切です。地理歴史・公民の再編成
地理歴史と公民の科目も再編成され、「地理総合」「歴史総合」「公共」などの新しい科目が導入されます。受験生は最大2科目を選択できますが、「公共」と「倫理」や「公共」と「政治・経済」の組み合わせは選択できない制約があります。大学によって共通テストで2科目を課すところがあるため、組み合わせの可否に関しては事前に確認しておくことが大切です。理科の科目統合
理科については、基礎科目である「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」が1つの科目として扱われることになります。受験生は、この中から2分野を選択して解答する必要があります。ただし、受験の観点から言えば実質的な違いはないため、そこまで気にすることはないでしょう。経過措置について
新課程を受講していない受験生のために、旧課程の教科・科目区分で受験できる「経過措置科目」が設けられます。旧課程を履修した受験生が不利にならないようにするための措置です。教科ごとに新旧両課程のどちらかを選ぶこともできます。ただし、地理歴史・公民に関しては新旧両課程を組み合わせることができない等の制限があるため受験科目の選択は慎重に考える必要があります。まとめ
2025年の大学入試共通テストの変更点は、受験生にとっても家庭教師にとっても新しい取り組みとなります。家庭教師が受験した頃の経験則が通用しづらいところも出てきそうです。新しい科目「情報」の導入や、国語・数学の試験時間の延長、地理歴史・公民の再編成など、さまざまな変更が行われるため、生徒一人ひとりに合った指導が求められます。
家庭教師として、これらの変更点をしっかり理解し、生徒に適した学習計画を立てることが大切です。受験生が不安を感じずに新しい試験に臨めるように、基礎から応用まで幅広くサポートし、日々の勉強の中で着実に力をつける手助けをしていきましょう