家庭教師と塾講師バイト、教員採用試験を受験するならどちらがおすすめ?
将来、小学校や中学校・高校の教員を目指している大学生も多いのではないでしょうか。教員を将来、目指す大学生に人気のあるアルバイトが家庭教師と塾講師です。どちらも比較的、大学生ができるアルバイトの中では時給が高く、しかも教える経験も積めるため教員養成大学に通っている人、教職課程を受講している人に人気です。
しかし家庭教師と塾講師、どちらが将来、教員採用試験の役に立つのだろう?と迷う人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では家庭教師と塾講師のどちらが教員採用を目指す学生の将来につながるアルバイトなのかを考えていきます。
塾講師は集団指導に慣れることができる
塾講師と家庭教師の違いは集団指導なのか、個別指導なのかです。そして教員は基本的に集団指導で授業ができることが求められます。もちろん集団指導以外にも個別指導をすることもあります。しかし学級経営と集団指導で1対多数の生徒の関係をうまく構築できる力が教員には必要です。となると集団指導が中心の塾講師の方が、一対多数で講義をする機会が多いため塾講師が家庭教師よりも教員採用試験では有利に見えます。また教員採用試験には模擬授業という実技試験もあります。模擬授業対策でも塾講師で全体指導をした経験はかなり生きるのではないでしょうか。
家庭教師は個別指導に慣れることができる
家庭教師は塾講師とは違い全体指導ではなく個別指導が中心です。近年の学校は全体指導以外にもティーム・ティーチングによる個別指導もしますし、少人数教育も盛んです。その際には家庭教師の個別指導の経験が生きるかもしれません。ただし、塾講師と異なり大勢の前で話す経験はあまり積めません。教員採用試験の模擬授業は基本的に全体指導ができるかどうかを見ることが、ほとんどです。そのため家庭教師の経験自体は役に立っても塾講師のように、模擬授業の練習にはあまりなりません。
塾講師の講義と学校の授業は意外に違う
塾講師と家庭教師なら全体指導が模擬授業対策になる分、塾講師の方が教員採用試験では有利なのではと思うのではないでしょうか。しかし、一概にはそうとも言えません。塾講師の全体指導の講義と学校の先生の授業は、似ているようで似ていない部分もあるからです。塾講師も学校の先生も教壇に立つのですが、塾講師の場合はどちらかといえば講義で一方的に情報を伝えるタイプの講義がほとんどではないでしょうか。一方で学校の授業は特に義務教育では、先生が主役ではなく児童・生徒が主役です。導入の部分では先生は児童・生徒全体に語り掛けますが、導入が終わると生徒が手と頭を動かして考える時間です。学校の先生はずっと授業で喋っているイメージがあるかもしれませんが、実は授業の導入と最後以外は生徒の活動を促すような指導が求められているのです。
そのため塾講師の講義と学校の先生の授業とでは、集団指導という点では同じですが、実はアプローチの仕方が結構、違うのです。
塾講師経験があれば教員採用試験で有利とは限らない
学校の先生や教育委員会によっては塾講師の経験を、そこまで特別視したり、ポジティブに受け止めたりしないところもあるようです。場合によっては塾講師の指導経験が裏目に出てしまうケースすらあります。家庭教師に関しても、これは同様です。家庭教師の経験があるから教員採用試験で加点されるということも、あまりないと考えた方が良いでしょう。教員採用試験を有利に進めるならスポーツやボランティアがおすすめ!?
教員採用試験で有利になるにはアルバイトよりもスポーツや文芸活動で実績を出す、ボランティア(特に公立学校の現場の指導員など)をするのが、おすすめです。スポーツや文芸活動で実績を出せば小学校なら体育の指導などで期待されますし、中高でも部活指導の観点から有利に働きます。ボランティアで学校現場に入ることで、どんな先生が求められているのかを知るのも教員採用試験では有効です。結局、家庭教師も塾講師も取り組み方が大事
家庭教師も塾講師もただアルバイトしているだけでは教員採用試験の加点にはなりません。しかし、家庭教師や塾講師の経験でどんな学びがあったのか、どんな工夫をしたのか、教育に対して情熱をもてたのかといった中身が評価されることはあります。家庭教師も塾講師も経験をどう教員としての指導に生かせるのかを考えれば、どちらも将来の役に立ちます。また、教員採用試験を受ける前に、教員免許をとるための教育実習をする前に、児童・生徒と実際に話したり指導したりする経験があるのとないのとでは大違いです。実際に児童・生徒と交流できるのは家庭教師も塾講師も同じで、その点においてはどちらも教員採用試験の受験者にはおすすめのアルバイトです。
まとめ
塾講師・家庭教師のどちらが教員採用試験の役に立つかを解説しました。1対多数の指導に慣れるなら塾講師ですが、塾講師の講義と学校の授業では動き方が違うことが多いところには注意が必要です。家庭教師は一対多数の指導はできませんが少人数教育や個別指導をする機会も教育現場では多いため、経験は無駄になりません。また塾講師も家庭教師も最後は取り組み方が大切です。取り組み方次第では教員採用試験のアピールポイントにもなるでしょう。特に塾講師・家庭教師は実際に児童・生徒と交流できる数少ないアルバイトなので、やはり教員採用試験受験者にはどちらもおすすめです。