大学生の家庭教師もおさえておきたい2023年の大学入試の傾向は?
2023年の大学入試のシーズンが近づいてきました。大学入試の世界は近年、センター試験の廃止や推薦入試の増加、私立大学定員厳格化などの影響で過去の経験則が頼りにならないことも増えています。近年の大学入試を経験してきた学生家庭教師の方が、最近の情報に明るくないベテラン家庭教師よりも「受験の今」を実体験で知っている強みはあるかもしれません。
しかし大学入試は毎年、傾向が変わります。自分が受験した年の大学入試だけが全てだとは思わず、新しい傾向にアンテナを立てておくことが大切です。本記事では2023年の大学入試の傾向と家庭教師の指導の心構えについて解説します。
国公立大学の傾向
センター試験の廃止と共通テストの導入に振り回された現役の大学生家庭教師の方も多いのではないでしょうか。共通テストは相変わらず難化が予想されている状況です。また、共通テストの志願者数は減少しています。
共通テストの対策をするよりも私大対策に振り切った方が良いと考える生徒も多く、共通テストの対策自体を負担に感じる生徒も多いからです。また、後期日程の縮小も注目されています。このような事情もあり国公立大学は難化が予想されています。
国公立大学の受験対策を担当する場合は、二次試験の指導だけではなく共通テストの指導もできなければいけません。
私立大学の傾向
2023年から私立大学定員厳格化が緩和することが発表されています。私立大学は2016年からの定員厳格化の影響で近年、合格者数が絞られてきました。私立大学定員厳格化によって、私立大学は合格者を減らさないと国から支援してもらえるお金が減ってしまうという事情があり、合格者を絞る状況が続いていたのです。
そのため、近年の私大入試では合格できると思っていた大学に合格できないということも少なくありませんでした。特に首都圏のGMARCH、早慶上理は難化したと言われています。しかし、定員厳格化が緩和されることで私立大学の入試にはチャンスが増えそうです。
このような影響もあり私大を目指すご家庭の中には、偏差値以上の私立大学の入試にチャレンジしたいという要望も増えそうです。難関私立大学は相変わらず難しくなりそうですが、中堅以下の私立大学は入りやすくなる見込みです。
家庭教師側でも入試の傾向を調べておこう
家庭教師側でも入試の最新の傾向は調べておくことをおすすめします。受験当事者のご家庭、生徒との会話で近年の大学入試の傾向について話をする際に、全く今年の傾向を分かっていないとなると信頼されません。ただ、問題の解き方を教えるだけでなく受験指導全体の作戦を考えたり、相談を受けたりするのも家庭教師の仕事です。
受験指導で本質・やることは変わらない
入試の傾向と対策は年度ごとに変わります。そのため入試の時事的なニュースをチェックしておくことは大切です。しかし、他の受験生も条件は同じです。結局は基礎学力をしっかり身につけて過去問にしっかり取り組むことが大学入試合格の近道です。傾向と対策は変わっても、最近まで受験生だった大学生家庭教師の経験は生かせます。むしろ、最近の大学受験を経験してきたという強みを指導に生かしましょう。
生徒には受験情報よりも学力向上に集中してもらおう
生徒の中には心配性な人もいて、情報にばかり振りまさわれて勉強そのものが疎かになってしまうケースがあります。いくら受験の傾向を追っても目の前の試験問題を解けなければ合格には近づけません。そのため、生徒がもしも受験ニュースにばかり気をとられているようなら、目の前の問題を解くことに集中するように指導した方が良いでしょう。
その分、家庭教師側で最近の受験の傾向やニュースを生徒に持っていってあげたり、受験する学校選びのサポートなどもしてあげたりすると喜ばれるかもしれません。もちろん高校や予備校、家庭教師センターなどでも、生徒は受験に関するアドバイスや進路指導を受けているはずなので、それを踏まえてアドバイスできるところをするというスタンスが良いでしょう。
まとめ
2023年の国公立大学は共通テスト難化、後期縮小で厳しくなりそうです。一方、私立大学は定員厳格化の緩和でチャンスが増えそうですが、チャレンジ志向が強まるかもしれません。ただ、受験指導でやること自体はあまり変わりません。また、近年の大学受験を経験している学生家庭教師の強みも活きるでしょう。受験の傾向と対策に関しては家庭教師側でもアンテナを張り、指導にしっかり活かしましょう。