家庭教師も知っておきたい学習の停滞期(プラトー)とは?乗り越え方も解説
家庭教師をしていると生徒の学力がなかなか伸びず、指導の効果が確認できないことも珍しくありません。そのため保護者から「成績は上がらないの?」と言われることや、生徒も学力が伸びずに落ち込む様子を見せることもあるでしょう。家庭教師自身も自分の指導に自信がなくなってしまうかもしれません。
そんなとき思い出して欲しいのが停滞期(プラトー)と呼ばれる現象です。勉強に限らず、スポーツでも練習をしていてなかなか上達しない時期があります。ダイエットでも体重がなかなか落ちない時期があります。勉強も実は同じです。成果がなかなか確認できない苦しい時期があります。
学力向上には停滞期を乗り越える必要がある
学力は一直線に右肩あがりで向上するものではありません。下の図のように、停滞期を乗り越えてから急に目に見えて伸びることが多いのです。ちなみに停滞期はプラトーとも呼ばれており、教育心理学でよく話題に出てくる用語の一つでもあります。1回、2回、家庭教師が指導をしただけで、生徒の成績が目に見えて伸びるわけではありません。生徒の学力を伸ばして結果が出るには、停滞期を乗り切らなければいけません。この停滞期は家庭教師にとっても生徒にとっても辛いものです。保護者もせっかく家庭教師を雇ったのに、成績が伸びないとがっかりしてしまいます。特に数学や英語、国語のような積み重ねが必要な科目は、停滞期に直面しやすいのです。
停滞期について生徒と保護者に説明する必要性
停滞期は家庭教師、生徒、保護者、3者にとって辛い時期です。特に受験が迫っているとき、大切な模擬試験やテストが控えているときの停滞期は苦しいでしょう。停滞期を乗り越えるために必要なのは、生徒・保護者に停滞期の存在を共有することです。勉強、学習の停滞期は、知識をインプットできていても、それをうまく活用することができない時期です。覚えても上手くアウトプットしたり、使いこなしたりするには時間がかかります。テストで結果を出すには、生徒が覚えた知識を定着させて、使いこなせるようになるまでの準備期間が必要です。
停滞期を乗り越えるためには、記憶の定着と問題演習による、インプットとアウトプットの繰り返しが欠かせません。インプット偏重になってしまうと、停滞期が長引く恐れもあります。そのため、停滞期があることを生徒・保護者にしっかり説明し、停滞期を乗り切る学習プランを説明しましょう。
家庭教師も粘り強く指導することが大切
家庭教師自身も指導の結果がでないと焦ってしまうことがあります。時には生徒に対して、「飲み込みが悪い」「どうして分かってくれないの?」と不安を感じてしまうこともあるでしょう。しかし、生徒にネガティブな感情をぶつけてはいけません。生徒も停滞期を乗り切るのに必死になっているはずです。家庭教師の仕事は教えることだけではなく、生徒を見守ることも含まれます。生徒・保護者の粘り強さだけではなく家庭教師自身の粘り強さも停滞期には試されるのです。最低でも3ヶ月は様子をみてあげよう
学力が結果に反映されるには、最低でも3ヶ月ほどは様子を見るべきです。特に家庭教師が生徒に指導にあたる時間は週にせいぜい2時間〜4時間程度ではないでしょうか。家庭教師が生徒の勉強を指導してあげられる時間はそれほどありません。家庭教師の指導時間だけではなく、生徒が自主的に勉強する習慣を身につけることも大切です。生徒自身が自主学習をする習慣をつけなければいつまで経っても停滞期を抜け出せないでしょう。家庭教師の指導と生徒自身の日々の頑張りが両立しなければ停滞期を抜けるのは難しいはずです。また、受験が迫っている時期の停滞期は生徒も家庭教師も焦る時期です。しかし、現役生は受験直前期まで学力は伸びます。停滞期だからと学力を伸ばすことを諦めず、最後まで家庭教師も生徒もベストを尽くせば結果はきっとついてくるでしょう。
まとめ
家庭教師も理解するべき学習の停滞期と付き合い方について解説しました。家庭教師だけでなく生徒にとっても保護者にとっても停滞期は辛い時期です。だからこそ、家庭教師、生徒、保護者が共通認識を持って、それぞれ協力しながら乗り越えなければいけません。そして、停滞期で結果が出ずに苦しんでいる生徒を家庭教師は、しっかりと見守り、時にはエールを送りましょう。停滞期は結果こそ表に出ないものの、生徒の学力向上で、避けては通れません。