大学生の家庭教師も知りたいティーチングとコーチングの違い
社会人の世界でも人に仕事を教えたり教わったりという関係性は存在します。たとえば上司が部下に仕事を教えたり、成長してもらう機会を提供したりすることはよくあります。そんな社会人の研修や教育の世界でよく使われているのがティーチングとコーチングです。「どちらも同じ意味では?」と思った方もいるかもしれませんが実は違います。家庭教師もティーチングとコーチングの違いを意識して指導できれば、生徒との関わりの中できっと役に立つときがくるはずです。
そこで本記事では大学生の家庭教師も理解しておきたい「ティーチングとコーチングの違い」「生徒を指導する際にどのように活用していくか」について解説します。
ティーチングとは?
ティーチングとは知識、やり方、技術を教えることです。生徒の中に、教えたいことの経験などがないときやゼロから何かを伝えないといけないときはティーチングのアプローチが有効です。大学生の家庭教師と生徒の関係だと、生徒が「勉強ってそもそもどうやってやればいいのか分からない…」という状態のときにこそ、ティーチングの出番です。ティーチングでは最短ルートで答えを「伝える」ことに徹します。特に短期的に成績を上げたい場合などはティーチングのアプローチが有効だと言われています。コーチングとは?
コーチングとは相手が持っている能力や可能性を引き出すことです。生徒の中に既に経験がある場合、答えがある場合、自分で答えを導き出す材料がある場合はコーチングのアプローチが有効です。対象となるのは、ある程度「勉強のやり方をわかっている生徒」「既に実力があるのに自信や行動力が伴っていない生徒」です。大学生の家庭教師が指導する生徒の中には十分に学力や知識があるにも関わらず、自分の能力を最大限に発揮できていないために結果が出せない生徒もいます。このようなケースではコーチングのアプローチが有効だと言われています。
ティーチングとコーチングのメリット・デメリット
ティーチングのメリットは以下の通り。・生徒が短期間で解決までたどりつける
・生徒が知識、スキル、問題の解き方などを身につけられる
・生徒が迷わずやるべきことが明確になる
・生徒の学力が一定までは上昇しやすい
ティーチングのデメリットは以下の通り
・一つの教えられたやり方に固執してしまう
・家庭教師側に知識と指導力が求められる
・自分で考える力が育たなくなる
ティーチングでは家庭教師側が課題解決のための答えや決められた方法を教えます。そのため短期間で結果がでやすい反面、生徒の自分で考える力がなかなか育たなくなってしまいます。
コーチングのメリットは以下の通り
・生徒の主体性が高まる
・生徒の自己肯定感が高まる
・生徒が自分で課題を解決できるようになる
コーチングのデメリットは以下の通り
・家庭教師側が生徒の良さを発見し引き出す力が必要
・ある程度、生徒側のレディネスが形成されていないと結果がでない
・時間がかかってしまう
コーチングはどちらかといえば、生徒側が既に自分で考える力や知識、学力が備わっている場合に有効です。
特に自信がない生徒、勇気を持って自分で一歩を踏み出せない生徒の場合は単に答えを一方的に教えるだけより生徒自身に考えさせたり対話をしたりしながら成長する機会を設ける方が良いケースもあります。
生徒によってティーチング・コーチングを上手く使い分ける
ティーチング:勉強が苦手だけど、これから頑張ろうとしている生徒コーチング:勉強自体はできるか素養はあるけど、自分の本来の力を発揮できない生徒
ティーチングとコーチングは原則、このように使い分けると良いでしょう。ただ、ティーチングのアプローチとコーチングのアプローチを複合的に同じ生徒にしなければいけないケースも出てきます。
家庭教師は自分の指導をしている中でティーチングをしているのか、コーチングをしているのかを考えながら指導すると目的意識、課題が明確になるのではないでしょうか。