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家庭教師も知っておきたい忘却曲線と技能学習。指導法に生かす方法も解説!


家庭教師の指導をしていると生徒に何度も同じことを教える場面が出てきます。勉強が苦手ではなかった家庭教師だと「何度、同じことを教えれば良いのだろう?」、「この生徒はやる気があるの?」と感じてしまうこともあるかもしれません。勉強が得意だった家庭教師の先生は自然に、知識を定着する工夫や習慣が身についています。しかし、勉強が苦手な生徒だと家庭教師にとって当たり前のことが当たり前ではないのです。そこで本記事では教育心理学の世界では有名なエビングハウスの忘却曲線について解説します。エビングハウスの忘却曲線の原理を覚えて指導に役に立てましょう。

エビングハウスの忘却曲線とは?

忘れるまでの時間と記憶の関係を示したのがエビングハウスの忘却曲線です。ドイツの心理学者のヘルマン・エビングハウスが提唱しました。エビングハウスによると人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、 1日後には74%、1週間後には77%、1ヶ月後には79%も忘れているそうです。

もちろん記憶力には個人差はありますが、家庭教師の先生がおさえておきたいポイントは「生徒に一度、教えた だけでは、なかなか身につかない」ということです。

生徒に一度、教えただけでは身につかない。認知・連合・自律の3段階とは?

エビングハウスの忘却曲線を乗り越えた先にも課題は山積みです。単に知識を問うだけの択一、選択式の問題ならば良いのですが数学の問題を解いたり、作文をしたりできるようになる技能学習には認知・連合・自律という3段階があります。

認知は、学習者が課題についての知識を得る段階です。連合の段階では、学習者は知識で得たことを意識しながら覚えた作業に取り組みます。そして最後の自律の段階では自然に知識で得たことが出てくる状態になります。知識として定着した後も数学や作文のような、実際に問題を解いたり書いたりできる段階に達するには目に見えない段階を乗り越えていかなければいけません。

一度、知識を教えただけで生徒が数学の問題を解けるようになったり、小論文を書けるようになったりすることは、なかなかありません。

家庭教師は定期的に教えた内容を定着させる工夫をするべき

エビングハウスの忘却曲線や技能学習の3段階の話から分かることは、記憶と技能を定着させるには一度、口頭で説明するだけでは十分ではないということです。しかし、家庭教師が指導できる時間は限られています。しかし、家庭教師が口頭で「勉強しなさい!復習をしっかりしなさい!」と口で言っても生徒は、なかなかついてこれません。そこで家庭教師は指導を工夫するべきです。

例えば

① 定期的に確認テストをする
② 実際に生徒が手を動かして問題を解くワークを積極的に活用する
③ ただ口頭で教えるだけでなく生徒と対話しながら教える

この3点を意識するだけでも指導はだいぶ変わります。共通するのは、生徒が知識をインプットするだけでなく アウトプットする(実際に思い出して使ってみる)回数を増やす工夫をすることです。逆に家庭教師は指導で知っていることを一方的に話すだけでは、なかなか生徒の学力は身につかないことを念頭に指導するべきです。

生徒が知識を覚えるだけではなく活用できるようにしよう

指導の場で主役になるのは家庭教師ではなく生徒です。そのため、家庭教師はときに生徒を見守る場面も出てきます。例えば指導の場で沈黙が続く中、生徒が問題を解いたり、記憶を思い出したりしているところを邪魔せずに見守らなければいけない時間もあります。生徒が教えた知識を自分のものとして使えるようになるには、生徒自身が記憶・練習を繰り返し根気強く行わなければいけません。特にテストや受験本番では、実際に使える知識・技能がなければ、成功は難しいでしょう。

特に新しい学習指導要領や大学入学共通テストでは、知識をしっかり定着させていることを前提に応用問題を 解かなければいけません。生徒が新しいテストに立ち向かうには日々の復習と繰り返しで学力の土台を作らないと厳しいため、家庭教師は生徒をしっかりサポートしてあげましょう。

まとめ

忘却曲線と技能学習の3つの段階について解説しました。生徒はなかなか、知識を定着させることはできません。 また実際に考えて問題を解く数学や作文などは、生徒がひとりで解けるようになるのも時間がかかります。そのため生徒が繰り返し知識を定着させる仕組み、実際に知識を使ってみる機会を豊富に設けていくことが大切です。 指導では一方的に口頭で知識を教えるだけでなく、生徒が繰り返し知識をアウトプットできる機会を設けていきましょう。

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